通訳案内士になるには? ― 日本の魅力を世界に伝える国家資格 ―

2024年、日本を訪れる外国人旅行者の数が過去最多の3686万人を記録しました。日本の魅力を伝え、日本の名所や観光地、街中を案内する“プロ”として活躍できるのが「全国通訳案内士」です。この記事では、通訳案内士になるためのステップや試験内容、勉強方法などを分かりやすくご紹介します。
通訳案内士ってどんな仕事?
通訳案内士は、訪日外国人に対して外国語で観光地などを案内する国家資格を持ったガイドです。単なる観光案内だけでなく、日本文化や歴史、マナー、現地事情まで幅広い情報を伝える「おもてなしの専門家」として活躍する仕事です。
全国通訳案内士試験の外国語の種類は、英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、中国語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、韓国語、タイ語です。試験は、年齢、性別、学歴、国籍などに関係なく受験が可能で、2025年4月1日現在の言語別延登録者数は27,950人に達しています。2024年度には385人が合格しました。
通訳案内士になるためのステップ
通訳案内士になるには、以下のステップを踏む必要があります。
- 全国通訳案内士試験に合格する
- 都道府県に登録申請を行う
試験内容は?
国家試験は年に1回行われ、以下のように一次(筆記)試験と二次(口述)試験に分かれています。
一次試験(筆記)
- 外国語(英語など)
- 日本地理
- 日本歴史
- 通訳案内の実務
- 一般常識(※一部免除制度あり)
詳しくは > 【レポート】通訳案内士 一次試験(英語)~4回目でつかんだ合格までの道のり
二次試験(口述)
- 日本文化や観光地についてのプレゼンテーション、質疑応答
- 外国語訳とシチュエーション問題
詳しくは > 【レポート】通訳案内士試験(二次・英語)受験体験記(2020年)-プレゼン・通訳の実例付き!
試験の難易度と勉強法
国家資格だけあって、試験は決して簡単ではありません。しかし、しっかりと対策をすれば、独学でも合格は十分可能です。
- 外国語:英語ならTOEIC900点以上が目安
- 地理・歴史:過去問を繰り返し解くのが有効
- 口述対策:模擬プレゼンやロールプレイの練習が効果的
市販の参考書やオンライン講座、受験対策セミナーを活用して効率よく学びましょう。
通訳案内士になったらどんな働き方ができる?
資格を取得すると、次のような働き方が可能になります。
- フリーランスとして観光ガイドに従事
- ツアー会社や旅行代理店と契約
- オンラインツアーの開催
- 着物・茶道・和食体験など文化系アクティビティの案内
- 語学や異文化交流の講師活動
自分の得意分野を活かして、自由なスタイルで活躍できるのが魅力です。
登録後も学び続ける必要あり?
通訳案内士は資格を取得したら終わりではありません。5年に1度の「登録研修」の受講が義務づけられており、ガイドとしての質を保つために継続的な学習が必要です。
詳しくは > 【2025年版】通訳案内士の必須研修、おすすめの受講先は?(対面 / オンライン)
こんな人におすすめ!
- 日本文化や歴史に興味がある
- 英語などの外国語を使った仕事がしたい
- 海外の人と交流するのが好き
- 観光や接客の仕事がしたい
- フリーで自由な働き方をしたい
まとめ
通訳案内士は、日本の魅力を世界に伝える「プロフェッショナルな観光ガイド」です。語学力と日本に対する愛情があれば、誰でも目指せる国家資格です。
努力は必要ですが、合格すれば、あなたの好きな「日本」を世界中の人に伝える、やりがいのある仕事が待っています!